かそけき音の(藤堂志津子)
- 作者: 藤堂志津子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03/10
- メディア: 文庫
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<あらすじ>
8話中1話百合。
『悪の華』
悦子は恋人・広田からのプロポーズを断るつもりでいた。しかし、短大からの親友である緋沙子は、彼との結婚を勧めてくる。半年で別れてしまった、山村との結婚のときと同じように。4年前の山村との離婚から、悦子の中では言葉に出来ない感情が沸き起こっていた。ある夜、ある言葉が口からこぼれた途端、悦子はその感情の意味を理解し、自分の本当の気持ちに気づく。しかし……。
以下ネタバレ
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ほかの話はけっこういい終わり方をしているんですが、この話だけはハッピーエンドって感じじゃないんですよね。
その手前までは、ものすごく好みの展開だったんですけど。
美しい親友の言葉に従い、軽そうな女みたいな格好をし、色んな男と付き合ってみる。
しかしそこに隠された親友の意図。
そして自分の本当の気持ち。
一度オチがわかってから読み返すと、緋沙子の言葉がけっこうおもしろいんですよね。
店長好み。
文章が少し年齢高めに感じるので、文章に好き嫌いが出るかもしれません。
逆にその雰囲気が、「悪の華」の雰囲気を良くしてもいるんですが。
「悪の華」以外では、表題作の「かそけき音の」が好きです。
落ち着きのある年上の男性との不倫をしながら、年下の青年に心惹かれる女性。
何度もあなたに恋する、って感じがあっていいんですよね。
結婚という型にはまりきらない男と女の愛憎と葛藤、繊細な関係を映し出す八つの物語。