奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

ありふれた風景画(あさのあつこ)


ありふれた風景画

ありふれた風景画



<あらすじ>
二年生になってひと月が過ぎたある放課後、琉璃は面識のない三年の女生徒に屋上へと呼び出されていた。琉璃と彼氏がどんな関係なのかと言う彼女に、またかと、うんざりしてしまう。ウリをやっているという噂がある琉璃は、こういう呼び出しがたまにあった。困っていると、屋上のフェンスに数羽の鴉が集まり、霊感があると噂されている三年の周子が現れた。周子の美しさに目を奪われる琉璃。ふとしたきっかけで仲良くなり、惹かれ合うふたり。穏やかな日々での小さな変化は、とても大切な変化となり……。





以下ネタバレ

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玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
(命よ、絶えるならいっそ絶えてしまえ。このまま生き長らえたなら、秘めた恋を隠し通すことができなくなる)



きゃ―――ヽ( ゜∀゜)ノ―――♪♪♪




この歌が出た瞬間、叫びそうになりましたよ。
静留狂なら誰もが知ってる歌です。
しかし店長は口語訳を知りませんでしたw



まあ舞-HiMEネタは横に置いて、
周子がこの歌にときめいたのがいいですよね。



秘めた恋に命をかける、激情の歌なのだ。
外に漏れることなく、人の内で渦を巻くものに心が騒いだ。



う〜んなんとも(´∀`人)
いやぁ〜侮ってました。


百合評判がよかったんですが、それほど期待してなかったんですよ。
若さだの青春だのを押してる感じがして嫌煙してましたし。
だけど、



けっこうな当たりです!




なんか、マジで惚れちゃうかもしれない。
心の内で呟き、それってヤバいよなあと続ける。
同性に一目惚れなんてヤバ過ぎるぞ、琉璃。



綾目さん、運命って変えられますから。
こともなげに言い放った言葉の、強靭さと熱に惹かれる。まっすぐすぎて怖いなとも思うけれど、惹かれてしまう。




こうやってポイントを上げていくだけでも、百合度高そうに感じますよね!
メインではないんですが、地味にふたりの惹かれていく描写があります。





周子の手が伸びて、琉璃の腕を掴んだ。柔らかく強く握り締める。ごく自然な動作だった。琉璃はそうはいかない。不自然に身体が硬直する。瞬く間に鼓動が早まり、大きく息を吸い込まねばならなかった。周子の指は、琉璃の肘の上辺りにしばらく留まり、ゆっくりと下りていく。琉璃は自分の指を少し広げた。その間に周子の温かな指が入り込んでくる。指と指とを絡ませただけなのに、身体の中を疼きが走った。甘く、痛く、切なく、鋭い。泣きそうになる。これは、愛撫ではないのか。目を閉じる。身体の真ん中を冷たい衝動が走った。まっすぐに、走る。



加水洋祐の話が終わったあと、オチへと続いていくあたりが、やっぱり百合度が一番高かったです。
けっこうシンプルな文章なのに、この手を繋ぐシーンだけは細かく描写されてるんですよ。
琉璃の意識が周子の手に行ってるのがよくわかりますよね。
片想いの切なさです°・(ノД`)・°・




まあオチは言わなくてもわかると思いますが、
最高の百合エンドでした!
未来ある素敵なオチです(´∀`人)




たまにだれ視点で語ってるのかわからないのが違和感あったんですが、読みやすくてすぐに読み終わりるはずです。



琉璃と周子のキャラがいいですし、ちょっとだけ事件を交えてるのがよかったです。




気付かれないように、だけど気付いてもらいたい、笑顔の下の切ない想い、激情。
「綾目さん、あたしを見てください。」
琉璃の片想いの懸命さはつい共感してしまいます。
誰もが経験したことだと思います。


事件や家庭の話のせいで百合が薄味に感じてしまいますが、爽やかな雰囲気のオススメ百合作品です。






あー漫画でやってもらいたいなぁ(*´Д`)

ラストのあのシーンを画付きで見たら、かなり悶えそう。



どんな手を使ってでも売れさせてみせますから、
漫画化希望です!


だれに言ってんの?( ´д`)=〇)´ν゜)・;'。だれか


つーか、漫画化したら、何もしなくても売れそうですけどね。
出来れば、表紙を描いてるやまだないとさんじゃないといいな。
あまり内容のイメージと合わない気が、、、