ざらざら(川上弘美)
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2006/07/20
- メディア: 単行本
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24話中1話百合。
『桃サンド』バイト先のコンビニエンスストアで知り合ったちかちゃん。お料理が上手なちかちゃんの部屋にあたしはいつの間にか入り浸るようになり、三回に一回くらいは泊まるようになった。そしてあたしはちかちゃんを好きになった。「好き」と告げる勇気が出ないまま月日が経ち、ある日……。
以下ネタバレ
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女の子同士の話は『桃サンド』くらい。
あらすじにあった「レズビアン」ってこの話のことなんでしょうね。
今まで付き合ったのは男の子なのに、突然女の子を好きになっちゃったみたいな。
「これって、恋愛なのかな、ほんとに」ときどき、あたしはちかちゃんの部屋で、ちかちゃんのベッドに横になって、ちかちゃんの匂いのする枕に頭をしずませながら、ひとりごとを言う。
もしかしたら、恋愛じゃないのかもしれない。ただの、深い友情の、一変形、に過ぎないのかも。たとえあたしがしょっちゅう「ちかちゃんとキスしてみたい」だの「おっぱいをさわったりして、ちかちゃんのエッチな声を聞いてみたい」なんて思うにしても。
こうゆう淡々としながらとんでもないことを言う描写が好きですw
あとは男女の恋愛ものや、女同士の友情ものです。
『ときどき、きらいで』で32歳の女性がふたりで裸エプロンに挑戦してみるって描写はおもしろかったです。
胸を隠すタイプのエプロンと、ウエストから下しかないエプロンを付けたふたり。
性的な意味を含まず、とりあえずやってみた「裸エプロン」。
わたしたちははだかエプロンのまま洗いものをして、はだかエプロンのまま布団をしいた。えりちゃんがデザートのアイスクリームを胸にこぼしてしまって、わたしが舌でなめとってあげたとき以外には、特別に盛り上がることもなく、その夜も終わった。
想像するとなんかシュールで、ときどきエロいですw
『びんちょうまぐろ』や『ときどき、きらいで』や『卒業』のような女同士の関係を描いてる描写が好きなんですが、男の存在でズレが生じるというパターンは個人的にあまり好きじゃないです。
うーん。
川上弘美さんの恋人同士のやり取りの描写は好きなので、女性同士の恋人の風景を描いたものが読んでみたいです。