Ball Boy & Bad Girl(飯島愛)
- 作者: 飯島愛,小倉陳利,押井守
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/06
- メディア: 単行本
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<あらすじ>
サッカー場のボールボーイで食べていっている少年。少年には秘密があった。股間に玉がないということと、深夜12時を回ると朝まで女になるということ。女になった彼は、男を漁ってタマを探す。999999999999歳の女王が星を治めている遊星キノコに住む、女王の娘はある日、女王に逆らい地球に落とされた。新宿歌舞伎町のど真ん中に堕ちた彼女は、新宿では有名なホストと出会った。
以下ネタバレ
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2008年12月、36歳で急逝した飯島愛さんが死の直前まで書き続けた物語。
レズビアンが出てくる作品、うちのサイトでいう百合作品ではないんですが、
以前テレビでこの作品のことを紹介しており(押井守さんの巻末の会談でも載ってましたが)、
なぜこういうことをやりたいのかという話をしたのかな。彼女は自分の周りにいる若い子たちを見るにつけ、このままじゃいけないんだって思ってきたんだと言う。レズ、ゲイが増えている、それはそれでいいんだけど、彼女たち彼らたちが悩んでいる。世の中にうまくはまらなくて、いろんな問題抱えているから、なんとかしてあげたい。一方でエイズに関してもいろいろな運動をやっていて、もっと自分で何かできることを具体的に考えたいと。
この言葉があったから、この作品を読みたいと思いました。
ゲイやレズビアンが自分たちを知ってもらうために動くのは分かるけど、ヘテロである飯島愛さんがゲイたちのために動いてくれようとしていたのがうれしかったです。
愛さんの中にあるたくさんの言葉がまとまるにはまだ足りなくて、この作品は点でしかないです。
ボールボーイとバッドガールのエピソードの他に、オカマさんたちのおしゃべり、キノコの家族、カップルのデート、合コンの女の子たち。
やっと線になりかけていたときに愛さんが亡くなってしまいました。
読みたかった。
愛さんがゲイたちのために何を作ろうとしていたのか知りたかった。
でもそんなこと言ってはいけないんだろうな。
せめて押井さんに映像化してもらいたいですね。
巻末の押井さんの会談を読んでから本書を読むと、また雰囲気が変わります。
押井さんが、愛さんの本名を未だに覚えてないという言葉の後、ラストに愛さんの写真と本名が書いてあるのは切ない演出です。
僕の欲しいものは、
本当の僕を愛してくれる誰か……。
もし、本当の僕を受け入れてくれるなら、
僕は桜が咲くのを楽しみに、空を見上げていただろう。
桜の花ビラが踏み潰されて死ぬことを知っているとしても……。
サンジャポなどのニュース系に出演するようになって、一生懸命勉強している飯島愛さんが印象的でした。
愛さんは好きなタレントの一人でした。
Ball Boy×Bad Girl