HER(ヤマシタトモコ)
- 作者: ヤマシタトモコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2010/07/08
- メディア: コミック
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<あらすじ>
6話中2話百合。
ひとつ、年寄りは恋をしない。ひとつ、恋愛は男女で行う。ひとつ、キスは目を閉じる。あたしの決まりとは何ひとつ一致しなかった光景。みんなに合わせフツーでいようとする女子高生こずえは、ある日お隣さんへ回覧板を届けに行ったときに、白髪の女性と若い女性のキスシーンを見てしまった。その日をきっかけにお隣の武山さんと話をするようになり……。
以下ネタバレ
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雨傘さんのところでチラッと紹介されてて、あらすじを見たところ、
女たらしの男性客に思い渦巻く美容師、白髪のレズビアン、フツーじゃないことを恐れる女子高生、母の浮気がトラウマな地味めOL、女が嫌いな女…。
白髪のレズビアン!これは読むしかないっしょと思い、購入しましたが、
店長的に当たりでした!
写真家の武山さんのセリフがいちいちカッコ良すぎます。
「…花がすきとかゆったら、友達ぜったい笑うし……」
「……ふうん。貧しい友達だね」
学生にとって学校の友達って絶対ですよね。
でも大人にとってはくだらないことなんだろうな。
「……何それ、予言?」
「人類にあまねくふりかかる呪い。世界の決まり」
髪がまっ白になるくらいの人生経験があれば、高校2年のこずえなんてかわいいもんなんでしょうね。
余裕そうに見える武山さんが、ちょっと見せた切なげな表情にやられますね。
「アメリカに住んでたとき人工受精も考えたけどね」
「人工…」
「そう。でもやっぱり怖かったし当時の恋人も反対した。ああ男と繋がれないのは、こんな絶望をしなければいけないのか……と思った」
ひーん°・(ノД`)・°・
この話、大好きです!
武山さんの飄々とした雰囲気とか全部!
それともう一つ、女性を嫌う女性の話が該当作と言えなくもないです。
彼氏の友達である美人で仕事が出来る女性を羨ましく思い、大嫌いだけど、本当は大好きだったという話。
ラストの、
「あなたがすき。すきです。本当は仲良くなりたかったです。大すきでした」
が、どういう意味だったのか気になるんですよね。
男性には見せない女性だけの顔って感じがしてどれもおもしろかったです。
どうでも良さそうに見えて、女性にとってはすごく繊細な問題。
オンナたちの本音を描く、可憐で獰猛な全6篇の連作オムニバス。
オススメです。