奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

胸の中にて鳴る音あり(上原隆)


胸の中にて鳴る音あり (文春文庫)

胸の中にて鳴る音あり (文春文庫)


<あらすじ>
七十年間ずっと時計を修理してきた職人、介護地獄に向き合う元キックボクサー、淡々と「不倫のメリット」について語る女性が漏らした最後の一言、レズビアンシャンソン歌手、夢をみてオーディションを受け続ける若者たち、ネット喫茶でたったひとり新年を迎える男、文学賞に落選し続ける四十三歳……。ふと涙さそわれる21篇のコラム・ノンフィクション。





以下ネタバレ

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21話中1話百合。
「リボンと帽子」
シャンソン歌手をしているルリは、ある俳優のファン・サイトで樹と知り合った。オフ会で初めて顔を合わせたときに、ルリは樹にコンサートのバックに樹の絵を使わせてほしいと頼んだ。最初はすごく気の合う友だちが出来たと思っていたが、次第にルリは樹への想いが募っていった。そしてある日、ルリは……。




エッセイやコラムに対してちょっと抵抗のある店長ですが、これはすんなり読めました。
小説を読む感じで読めました。



「性別とはどのみち帽子のリボンのようなものだ。意味などない」と中山可穂は小説『白い薔薇の淵まで』の中で書いている。「リボンの色にこだわって帽子そのものの魅力に気がつかないふりをするのは馬鹿げている。自分の頭にぴったり合う帽子を見つけるのは、実はとても難しいことなのだ」



「リボンと帽子」の冒頭に中山可穂さんを持ってくるなんて、いい演出してくれます。


10ページほどなんですが、店長的に気に入りました。



夫とはセックスレスになっているルリ。
不安神経症を患っている夫がいる樹。
41歳と43歳の女性の話なんですが、20代のような恋の仕方をしてるのにときめきましたw




あまり大きな声では言えませんが、この話だけでも立ち読みしてみてください。
「リボンと帽子」ですよw
なんか良かったんです。