奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

わくらば日記(朱川湊人)


わくらば日記 (角川文庫)

わくらば日記 (角川文庫)


<あらすじ>
下町に住むワッコちゃんこと和歌子には、美しい姉・鈴音がいた。日本人離れした容姿を持ちながら、体の弱かった鈴音。そんな鈴音には人や物が持つ「記憶」を読み取ることができるという不思議な力があった。そしてその事件が起きたのは昭和三十二年、ワッコちゃんが小学六年生、鈴音が中学三年生のとき。ある日の夕方、ワッコちゃんの友達の弟が交通事故にあい、ワッコちゃんは事故の真相を姉さまに「見て」もらうことにした。そしてそのことがきっかけで……。



以下ネタバレ

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雑誌『百合姫』に続編の『わくらば追慕抄』の紹介がされていて、うちの方が情報は早いんじゃー!って気分になったため、感想アップしました。
読んでいたならさっさと書けよ、としか言いようがないんですけどね。
どうも文章まとめるのが遅くて。
読んだのにアップしてないの多いです。
がんばります。
というわけで、以下感想。



大人になったワッコちゃんの回想録のように語られる姉さまとの思い出たち。
「追憶の虹」「夏空への梯子」「いつか夕陽の中で」「流星のまたたき」「春の悪魔」の連作です。



姉さまの力って、いわゆる「サイコメトリー」ってやつですよね。
店長の知っている某少年漫画の能力とはちょっと違うみたいですが。
こっちは断片的に見えるというより、ビデオを再生する並みにクリアみたいですから。
しかも某少年漫画のように猟奇殺人などの血なまぐさい事件に巻き込まれるというものではなく、日常の出来事や警察から真相を調べる手助けをしてほしいといった話なので、難しくなくすんなり読めてしまいます。



それと個人的に、しっかり者で姉想いの妹と純粋で心優しい姉の絆にときめきますね。
姉さまの小さな異変にもすぐに気づいて駆けつけるワッコちゃん。
可愛いです。
そして姉さまの可愛さハンパないっす。




27歳で亡くなってしまった姉さま。
意味深な伏線があり、姉妹百合抜きにしても、作品としてすごくおもしろいです。
人の優しさで溢れた一冊を堪能してください。