奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

小説「ミドリのミ」、「リオとタケル」

先日、本屋さんに立ち寄ったときに目についた作品です。
父親に男性の恋人が出来てしまった小学生の女の子の小説と、アメリカで出会った2人のゲイについて書かれたノンフィクション小説。



ミドリのミ

ミドリのミ


<あらすじ>
重田ミドリ、小学3年生。住み慣れた街を離れて父・広の新しい恋人であるカメラマンの平野源三の家に転がりこんだ。そんな事実を受け入れられないキャリアウーマンの母・貴美子。だから離婚話もなかなか進まない。でも進まない理由はそれだけではなく―。
よのなかにあふれる“ふつう”からほんの少し外れたところにいるミドリたち。口に出してしまったら、何かが変わってしまう、何かが壊れてしまう、そんなおそれを抱きながら生きる彼らに訪れた、幸せの結末とは。

”ふつう”だと思っていたことが、崩れていく。
でも毎日生きていかなくてはならない。
何が自分にとって幸せなのか、何が相手にとって幸せなのか。
それぞれが考える幸せの形。そして家族の形。



リオとタケル

リオとタケル


<あらすじ>
70年代から90年代にかけてのアメリカ演劇界で、デザイナーとして活躍したリオとタケル。
著者は大学の恩師である彼らに魅了される。二人の関係は、まるで優美で絶妙なダンスのごとく周囲の人々を惹き付けた。人生で最もかけがえのないものとは何か? 彼らはどのようにしてそれを獲得し、また何 を削ぎ落としてきたのか。
旅を通して少数派の人々のささやきに耳を傾け、現代社会を生きる困難さと幸福を描いてきたノンフィクション作家・中村安希が、アメリカと日本を往復するなかで、自分の欲求に正直に生きることの本質を見つめる。


書籍情報
http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3176

担当者ブログ
http://www.shueisha-int.co.jp/blog/?cat=100



「リオとタケル」はノンフィクション小説ということもあってか、小説の担当者のブログやLGBTについてのサイトがちょいちょいあります。
興味のある人は覗いてみてください。



どっちも内容的には興味深いので読んでみたいのですが、金欠で、、、
給料日前なのに別の小説買っちゃったし。
買うのは保留ですが、読みたいので図書館とかで探したいと思います←



セクマイ関係ないのですが、お気に入りの作家さんがぶっ飛んだ内容の小説を書いていたので、ついそっちを買ってしまいました。
まだ出だししか読んでませんが、本屋でパラ読みしただけで買いたい衝動を抑えられませんでした。



殺人出産

殺人出産


<あらすじ>
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい―。
そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない…。
三人での交際が流行する、奇妙な世界を描いた「トリプル」など、短篇3作も併録。普遍の価値観を揺さぶる挑戦的作品集。



上の2つは「家族とは?」「幸せとは?」「愛とは?」みたいないい話っぽいのに、この作品を一緒に並べていいものか悩みますが、一応「性とは?」っていう括りで考えるとそう外れてないかなぁと思って。
まだ出だしだけですが、淡々とした文章の中で「出産」というのものがなんとも奇妙なものに感じられてきます。



「10人産めば、1人殺してもいい」
人工授精をするため、出産のためのセックスがなく、人工子宮を体に入れることも可能なので、男性も出産できる。
殺したい人間がいれば、男性も出産と引き換えに殺人ができる。
十月十日お腹で赤ん坊を育てるというのは変わらないので、10人で約10年。
10年も殺したいと想い続けられるものなのだろうか。
命を落とすかもしれない出産というリスクを抱えながら。
しかし、出産もせずに殺人を犯した場合、死ぬまで産み続ける「産刑」となる。
女性はもちろん、男性は人工子宮を埋め込まれて。



短編集の中の1つなので、話自体はそんなに長くないです。
この設定のある世界で生きる、普通のOLである主人公・育子の物語です。
前から「性」についての作品を書いてる作家さんですが、今回のはまた一味違った感じがします。
どんなオチが待っているのかドキドキします。



設定が興味深いというのもあったんですが、表紙のデザインも引き付けられたので買いました。
ナイフで切ったようなピンク色の切れ目。
ピンク色の切れ目は女性のあそこのようにも見え、まさに「殺人」と「出産」を表わしてるようです。
こういうデザインが出来るのは本当にすごいなぁと思います。
松浦理英子さんの「ナチュラル・ウーマン」の旧版の赤い表紙も「傷」と「女性」を表わしてるようで好きです。