奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

「カミングアウト」見てきました

前に紹介した、「カミングアウト」という映画を見てきました。
泣けるの半分、作品として気になる半分っていう感想なので、微妙なコメントが続くと思います。
めっちゃいい映画だったー!と感動してた人は読まないでください。ごめんなさい。




公式HP
http://www.comingout.jp/



<あらすじ>
陽はゲイの大学生。サークルの同級生で親友の昇に片想いをしているが、大学のサークル仲間にも、一緒に暮らす家族にも、ゲイである事は隠している。唯一、新宿二丁目の行きつけのBarB♭ではありのままの自分でいられる。
以前に比べれば、セクシュアルマイノリティも少しずつ生きやすい時代になってきた。しかし仲間達との友情や恋愛の他にも、就職や結婚など将来への不安は尽きない。過ぎ行く日々の中、陽の周囲に起こる様々な出来事。いつしか、陽の中にある思いが生まれ始めていた。
葛藤の末に陽が進む道とは…。



文化通信 | 監督とプロデュースを手掛ける若き才能!『カミングアウト』犬童一利監督
http://www.bunkatsushin.com/varieties/article.aspx?id=2966


2CHOPO | LGBT映画『カミングアウト』犬童一利監督2CHOPO独占インタビュー
http://www.2chopo.com/article/detail?id=1018



以下ネタバレ

                                                        • -

世界がもし100人の村だったら、そのうち11人は同性愛者だそうです。
統計学的には2%から10%位と言われています。およそクラスに1人いるということになりますね。
多くの当事者がそれを隠しています。なぜでしょう」
―――本編台詞より抜粋


30人のクラスだったら、1クラスに3人は同性愛者がいるって計算ですよね?
映画の中では10人くらいの講義だったので1人って言ってますけど、小中高ならクラスに3人は同性愛者がいて、バイセク、トランス、Aセクを合わせたらもっといるはずです。
左利きの人と同じくらいの割合です。



「いつかなんてやってこない」
自分が動き出さなければ、いつかなんてやって来ないんだってことを思い知らされる作品でした。



主人公の陽は、親友に片想いしていて、自分がゲイであることを言えずに日々を過ごしているうちに、親友が大学を辞めてアメリカに行こうと思っていると告げられる。
その事実を受け止めきれずにいるうちに、親友は同じサークルの下級生の女の子と付き合うことになる。
迷い続ける陽に、行きつけのバーで働く剛が、親にカミングアウトをするという話をする。
しかし……。



いつか告白できたらいいなっと思っているうちに、好きな人は異性に取られてしまう。
下級生の子が好みだって言ってたと思ったらいつの間にか付き合ってて、気付いたらお泊りするくらい関係が進展してて。
自分が立ち止まってる間に、好きな人は他の人に取られ、遠くに離れて行ってしまう。


いつか家族にカミングアウトできたらいいなって思っているうちに親が死んでしまうことだってある。
自分がゲイであることに対して、親は受け入れてくれたのか拒絶したのか答えを知ることが出来ずに永遠の別れが訪れる。
何度後悔しても答えは出てこないまま。。。



いつかなんてやってこない。
そんなこと分かっていても、踏み出せるものではありません。
受け入れてくれる人もいれば、受け入れられない人もいます。
言った途端、まるで違う生き物を見るかのような目をする人もいます。
カミングアウトされた側ってどんな気持ちなんでしょうね。
セクマイからしたら、恋愛対象が違うだけで、それ以外は同じなんだから受け入れてよって気分なんですけど、マジョリティからしたら違うんでしょうね。
映画の中の人たちは、地球人だと思っていたのに、実は宇宙人でしたってカムされたかのような反応を見せてました。
自分があんな目で見られたらって思うと、心臓がひやりとします。



親にカムをして、「お母さんがいけないのね」とか「あなたの孫の顔が見たかった」と泣かれるシーンは正直きついです。
いっそのこと体に欠陥があれば諦めてもらえるのだろうかと思ってしまいます。
好きな人との子供が作れないのは、親よりも当事者の方がツラいということを考えてほしい。
ほとんどの男女のカップルがなんの苦労もせずに出来ることが、同性同士というだけで出来ないことが多すぎる。



まっすぐ見つめると、泣いてしまう映画でした。
一緒に行った友達はボロ泣きしてましたw



題材はよかったのですが、爪が甘いところが数点。
映画素人がぶちぶち文句言うだけですので、ここからは読まなくていいです。




オープニングのサークル新入生歓迎会をやってるときに、親友や先輩と話してて、先輩がどの子がタイプ?なんて聞かれて、ゲイだから女の子興味ないんだけどという困り顔をしながら陽がタイプの子を言うシーン。
昇は明日香ちゃんがいいなんて言ってて、陽は明日香ちゃんの横にいる美穂ちゃんがいいなんて言ってて、最後に先輩が「明日香ちゃんの奥に座ってるショートカットの子がいいな」って言うところでカメラが引いて、タイトルが出るんですけど、そのカメラが引いてるときに明日香ちゃんの奥に女の子なんていたかなと思って探してみると、



誰もいねぇぇぇwww
明日香ちゃん、角奥に座ってるんだから誰かいるはずもないwww
先輩は明日香ちゃんの奥に誰を見てたの!?
幽霊!?
幽霊でもいたの!?www



あと先輩が就活の説明会に行ったときに、大人のおもちゃを大量にもらってきてて、それをサークル室で広げていて、大人のおもちゃだなんて気が付かなかった下級生の女の子がそれを触っちゃって、恥ずかしい思いをさせた罰で先輩たちのおごりで飲みに行こうってなって、でも先輩はバイトがあるから女の子達と飲みに行けないと悔しがって、おもちゃをバックにしまってサークル室を出ていくシーン。



サークル室では靴を脱いで入るんですが、先輩靴も履かずに出て行ったよ
靴下のままいじけて出て行ったよ。
おもちゃを一個一個バックに片付けるくらいなら、靴履くシーンくらい入れてもよくない?
後輩たちツッコミ入れてw



あと明日香ちゃんと美穂ちゃんが大学の講義で「LGBT」について聞いてきて、サークルのときに先輩にその話を言っていたら、先輩が「ちょうどいいのが来た」と、仲良しな昇と陽をゲイカップル扱いしてきて、昇が悪ノリして陽に向かって「おまえのことが…」とか言って抱きつくから、陽が思わず「気持ち悪いな、やめろよ」なんて言ったら、先輩が「気持ち悪いとか言うなよ!」と大きい声を出すシーン。



先輩は情緒不安定か?
「LGBTって、ホモとかオカマのこと?」と知識があるんだかないんだか分からない返答するし、昇と陽をからかってたと思ったら「気持ち悪いとか言うなよ」って怒るし。
どうしたの?



あと演劇経験なさそうな昇が急に演劇の勉強のためにアメリカに行くって言ったときは頭大丈夫かなって思いました。
劇団とか入ってて本格的に勉強しにアメリカ行くならともかく、素人でアメリカ行くって、、、
いや、世の中にはそういうので成功する人もいるかもしれないけど、とりあえず誰か一言でいいから説得して。
それと後半、美穂ちゃんが急に深刻な顔をし始めて、明日香ちゃんに「どうしたの?」と言われるのに、そのシーンはその後になんの影響も与えなかった。。。
「ううん、なんでもない」とか「私、もしかしたら陽先輩気付付けちゃったかも」とか言ってくれればいいのに、特に何も言わずに終わりました。
美穂ちゃん、良い子そうだからもうちょっと頑張ってほしかった!
もしくは「陽先輩、気持ち悪い!!」とか言って、最低な子に成り下がってほしかった!←



なんか、揚げ足取ってばっかりですね。
感想書くように意識そらして見ていたので、変なところばかり気になりました。
他にもあったんですが、そこはまあいいやと。
パパママ世代が「ゲイ」って言葉を知ってるかどうかとか。
一番気になったのはカメラの手振れですけどね。
陽の視点でカメラが動くのはいいんですが、シリアスシーンでカメラが揺れるのめっちゃ気になりました。
お父さんとお母さんがリビングで会話してるシーン、固定カメラでよくない??
陽がお姉ちゃんにカムする大事なシーン、固定カメラでよくない??
カメラ固定するスペースがないのかもしれませんが、カメラが微妙に揺れるの気になりました。



最初に言いました通り、泣けるの半分、作品として気になる半分っていう微妙なレビューとなりました。ごめんなさい。
最終的に「カミングアウト・レターズ」の宣伝で終わったような気もしたんですが、前向きに頑張る若者のいい映画でした。


カミングアウト・レターズ

カミングアウト・レターズ


「カミングアウト・レターズ」は読んだことありませんが、カミングアウトをめぐる子と親、生徒と教師の、ノンフィクションものだったと思います。
興味ある方は是非。