奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

ヴィオレット―ある作家の肖像―

以前紹介した、映画「ヴィオレット―ある作家の肖像―」を見てきました。
DVDはまだですが、映画の感想を少々。




公式HP
http://www.moviola.jp/violette/intro/


<あらすじ>
1907年、私生児として生まれたヴィオレット。母親に愛されない想いを抱きつづける彼女は、やがてその想いを小説に書くことに目覚める。そしてその後、ボーヴォワールと出会い、その助けによって、1946年に処女作「窒息」を出版。ボーヴォワールだけでなく、カミュサルトル、ジュネら錚々たる作家に絶賛されるが、女性として初めて、自身の生と性を赤裸々に書いたその小説は、当時の社会には受け入れられなかった。傷ついたヴィオレットは精神さえも病むが、ボーヴォワールの支えによって書き続ける。そして彼女は南仏プロヴァンスの村と出会う。パリを離れ、プロヴァンスに移り、そこで自身の集大成ともいえる新作「私生児」の執筆にとりかかるヴィオレット。母との確執、報われぬ愛、そしてボーヴォワールとの絆。彼女は、自分の人生のすべてを“書くこと”に注ぎ込んでいく……。




以下ネタバレ




「新しい文化が胎動した1940年代後半のパリ文学界を背景に、実在した女性作家ビオレット・ルデュックの半生を描く。」ということで、少し硬めのお話ですが、まぁまぁおもしろかったです。
なんだろ、はっきり言っちゃえば主人公はメンヘラ気味
本が売れない!自分なんて誰にも必要されないんだ!って騒ぐし、精神的に弱るとすぐ誰かと体の関係を持とうとするし、見ていてちょっと疲れます。
しかし、そんな主人公ヴィオレットに対し、「書きなさい」とだけ言うボーヴォワールさん。
いや、もうこのボーヴォワールさんめっちゃいい!w
ストイック仕事人間なクールビューティー
惚れる!w



あらすじに「ボーヴォワールとの絆」とか書いてあるので友情みたいなものかなと思ったんですが、ヴィオレットはバイセクなのでボーヴォワールさんにガチ恋してます。
たまたま読んだ女性作家の作品がボーヴォワールさんの本で、そのすごさにファンとなり、ストーカー的に家まで後をつけて花束を置いていき、後日家の前で待ち伏せして自叙伝を読んでほしいと手作り本を渡します。
ぶっちゃけ現代なら通報されてもおかしくないレベルwww
しかしボーヴォワールさんは優しいので、その自叙伝をちゃんと読み、ヴィオレットの才能に目を付けました。



ボーヴォワールさんと仲良くなり、精神的に頼るようになるヴィオレット。
本屋で暴れた後に「生きてるのがつらい」とかボーヴォワールさんに電話とかしちゃいますしね。
ボーヴォワールさんが「手を繋いでいてあげるから」と言うと、ヴィオレットはびーびー泣きながら「愛してる」と小さく言って電話を切り、ボーヴォワールさんの家に押しかけます。
「忙しいから」と素っ気ないボーヴォワールさんにキスをするヴィオレット。
しかしさすがはボーヴォワールさん。
「やめなさい」と突き放し、「仕事があるの。時間の無駄だわ」と言って奥の部屋に行って仕事を始めます。
ボーヴォワールさんwww
ヴィオレットはそのまま大人しく帰っていきます。



しかし髪をきつくまとめ上げてるストイックな女性が、髪を下ろしたときだけ積極的になるのってすごく萌えませんか!?
ボーヴォワールさん、きっちりまとめ上げてるんですよね。
さらに細身の女性なので余計にストイックに見えます。
ボーヴォワールさんは積極的になったわけじゃないですが、髪下ろしたところがなんだか背徳的なエロティックさがあってよかったです!



あんまり書くとネタバレになるので、このくらいにしたいと思います。
もう何度ボーヴォワールさん同情でもいいから抱いてよ!!!と思ったか分かりません。
ボーヴォワールさんは最後までストイックで、文章を書くことに情熱を注ぐ女性でした。
ヴィオレットは、、、元カノとキスしたり、ボーヴォワールさんとキスしたり、ゲイとキスしたり、ナンパしてきた男性といい仲になったり…そんな感じです。





母親との思い出を綴った処女作「窒息」ボーヴォワールさんへの想いを綴った「飢えた女(邦訳題:ボーヴォワールの女友達)」、寄宿舎での恋と元旦那、中絶を綴った「破壊」、自分の半生をまとめた「私生児(邦訳題:私生児)」が映画の中で紹介されています。
ボーヴォワールさんへの想いを綴った「飢えた女(邦訳題:ボーヴォワールの女友達)」はちょっと気になりますw



少し暗いですし、男性とのシーンも少しだけありますけど、ボーヴォワールさんのストイックさにゾクゾクしたいのなら、見るのオススメです。
落ち込んでもうダメだぁと思ったら、ボーヴォワールさんが「書きなさい。涙も叫びもいらない。書きなさい」と言ってくれますw
神保町の岩波ホールでは、2月12日(金)まで上映中です。
PG12作品です。