奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

リズと青い鳥

リズと青い鳥」観てきました。
百合でした。



公式HP
http://liz-bluebird.com/


<あらすじ>
宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美は、ともに3年生となり、最後となるコンクールを控えていた。コンクールの自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロパートがあったが、親友同士の2人の掛け合いはなぜかうまくかみ合わず……。
吹奏楽に青春をかける高校生たちを描いた武田綾乃の小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」を原作に、テレビアニメ第2期に登場した、鎧塚みぞれと傘木希美の2人の少女が織り成す物語を描く。




以下ネタバレ



                                                • -

原作小説、コミック、アニメは見てないですが、それでも理解できる内容になっています。
他を寄せ付けず希美だけを追いかけるみぞれ、鈍感を装いながらみぞれに触れず離れずの距離を保つ希美。高校三年、それぞれ進む道を決めなければいけなくなり……。
とても百合でした。よかった。



足音や息遣いがいいと評判だったので期待してたのですが、その点に関しては昔からある表現だよなぁという感想です。
そこまで騒ぐほどかな。
ただ、出だしのみぞれが希美を待っているシーンで、希美の足音がした途端に音楽が鳴り、木々がざわめき、みぞれの世界が動き始めるという演出はベタですけど好きです。



映画よかったんですが、どうでもいいところが気になって感情移入できなかった。
映画としてはよかったんですが、どうでもいいところが気になって、泣けもしないし、感動も出来ない。
最初に大好きのハグをしようとするシーン、希美が廊下を行ったり来たりしていて、なぜ来た道を戻るんだ?ハグするために人気の無いところに行ったの?と集中できなかった。
あれは意味のある動きだったのかな。
他にもちょいちょい気になるシーンがいくつか。
二人の関係性を演出するために、希美はみぞれの前を歩き、振り向かずに歩いていきます。
それは、みぞれが必ず自分の後を歩いてくるという自身の表れ。
しかしそれにしても距離を空けすぎじゃない???



後輩のりりかがゆで卵を取り出すシーンも、青い鳥の暗喩なのかもしれませんが、それにしても入れ物もなしにいきなり掌にゆで卵が出現するとビビる。
鞄から取り出すなり、入れ物から出すなりしてほしい。
実写と違って、その動作の分だけ時間と費用が掛かるのはわかるけど。
アニメは人間が一枚一枚描いてるから、時間と費用が掛かるんですよね。
わかる。
でも違和感がある。



パンフレットの山田監督と脚本の吉田さんの対談で「愛と恋の違いに」ついて語っているところで、「希美の無邪気さと残酷さ」と言ってるのに納得。
無邪気にみぞれに近づくのに、みぞれが触れようとすると離れる。
みぞれの気持ちになんとなく気付き、心を縛り付けるための距離を保っているようでした。



百合漫画でたまにあるんですが、親友が自分のことが好きだとなんとなく気づいているので、わざと目の前で他の子と仲良くし、嫉妬を煽り傷つける。
「私のことで傷ついて、私だけを見て、私に執着して」と。
一方親友に片想い中の子は、自分の気持ちがバレているとは思わず、無邪気に自分を傷つける親友にイラつきながらも離れることが出来ない。
「私を傷つけて、私を見て、あなたを受け入れられるのは私だけ」と。
リズと青い鳥」はそんな感じの百合を爽やかに描いたイメージです。



希美うっせー!パーン!と殴りたくなる時がちょいちょいあります。
りりかがみぞれのことで希美に相談したときに「少し変わった子だから」とみぞれのことを言ったのが不思議だった。
親友のことをそういう風に言うかな。
それが周りの人間を遠ざけるためなのか、みぞれをそう見てるのかは読み取れなかった。



それにクライマックスのハグのシーン、あれだけの愛を告白していても、ああいう返事が返ってきたら、私だったら心臓が凍る。
どこまでも残酷だなぁと切なくなりました。
あそこは観た人によって解釈がそれぞれでしょうが、私としては想いの違いを見せられたようで、きつかった。
一途なみぞれと、一歩を踏み出せない希美。
「完璧に支えるからもう少し待って」と言っていたので、2人の関係がここから進んでくれればいいなと望みます。



個人的に、青い鳥を逃がすことが愛というのはかなり身勝手だなぁと思いました。
飛ぶかどうかは自分が決めることであって、私の気持ちをあなたが決めないで…という感じです。
劇中では逃がすことが愛であり、相手の望むことに従うのも愛だとは言っていました。
そこだけは、うーん…、です。




リズと青い鳥山田尚子監督インタビュー「彼女たちの言葉だけが正解だと思われたくなかった」
https://eonet.jp/zing/articles/_4101959.html







小説版が映画使用のカバーになっているので、作品が気に入った人はぜひ。
基本的に続編なので、久美子が主人公のままです。
いろんな人たちの人間模様の中から、よく希美とみぞれだけを取り出したなぁと感心しました。



映画はまだ上映中です。
今週中に終わるところもちらほら出て来ているので、気になっている方はお早めに。



そういえば、
「久美子とあすか」を軸に再構築した、
劇場版『響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜』(http://anime-eupho.com/)が9月30日全国ロードショーらしいです。



「久美子とあすか」???
久美子は麗奈の彼女じゃないの???
先輩と出来てる???
リズと青い鳥」で久美子と麗奈があんなにいちゃいちゃして校舎裏で演奏してたのに???