奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

裏ヴァージョン(松浦理英子)


裏ヴァージョン (文春文庫)

裏ヴァージョン (文春文庫)


<あらすじ>
「性を介在させずに、人を求める情熱の切なさ、痛ましさ、歓喜。(帯より)」
スティーヴン・キングまがいのホラー、アメリカのレズビアンSM、ホモセクシャル・ファンタジーを愛する日本の女性の話など、毎月家賃代わりに提出される20枚の原稿用紙。小説を書く女性とその小説にコメントする女性のやり取りは、次第にエスカレートし、質問状から詰問状へとなり、次第に明かされていく二人の女性の関係。そしてついに……。






以下ネタバレ


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ついに文庫版がでましたが、店長、実は数ヶ月前にソフトカバーの方を取り寄せしちゃってたんですよね。

もう少し待ってれば半分のお金で済んだのにorz



うるせぇ( ´д`)=〇)´ν゜)・;'。すんません



そうですよね。ファンならハードカバーやソフトカバーの単行本を買うべきですよね。エヘエヘッ(´∀`)

でも単行本の方ってあとがきや解説が載ってないんですよね。

まあそんなときは立ち読みで、、、



そんなこと言ってると国家に狙わr( ´д`)=〇)´ν゜)・;'。え?なに?最後まで言ってよ



個人的に『裏ヴァージョン』は単行本の方が読みやすそうな気がしましたね。文庫は少し窮屈そうでした。





んで、内容はと言うと、店長的に気に入ってるのはレズビアンの三角関係を描いた『トリスティーン』です。
(似非)アメリカ風松浦作品って感じですよねw
マゾヒストとサディストの不器用な愛の形、愛の遊戯。


むはぁ〜(´∀`人)



でもやっぱり一番いいのは、昌子と磯子のやり取りですかね。
一話一話に書かれてるコメントが楽しくて好き♪
質問状も好き勝手言いたい放題で楽しかったです♪


だからこそ第15話目の『昌子』が切なかったです。



「私は世界を両手で粉々にすり潰し、それを見て微笑むあなたが見たい、ベイビー、ベイビー、ベイビー……。」




ソフトカバーの帯に書かれていたたこの言葉の意味がよくわかりませんでした。
でも読んでみて、本当に大切な人への言葉だとわかりました。



「昌子を変えたかったわけではない。むしろ変えられるものなら昌子を取り巻く世界の方を変えたかった。」




松浦さんの作品では珍しくサディスト側(実際には磯子はサディストじゃないけど)の愛情が表に出ていた話だと思います。



っていうか、松浦さんの言葉は店長のツボにはまりますね。




そういえば、作中で言っていた、三人の仲のよい女子高生が、「パパ」と「ママ」と「王子様」というイメージで「疑似家族」をするというネタをマジでやってもらいたいんですけど。
ドロドロになるかもしれませんが、おもしろそう♪
たぶん今回の文庫化で松浦ファンになった人たちも、同じことを考えたかも!




家族でも恋人でもなく、友達に寄せる濃密な気持ちの切なさ、そしておかしさを、奇抜な手法で描いた現代文学の傑作。
松浦ファンなら充分楽しめると思いますが、今回のは少しクセがあるので、万人受けするかどうかは微妙なところ。
それでも読むっていうなら、『トリスティーン』あたりまではどうにか読んでください。そうすれば、気付かないうちに松浦作品に熱中してる自分がいますよ。


・・・たぶん。