奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

パラダイス・サーティー 上・下巻(乃南アサ)


パラダイス・サーティー〈上〉 (新潮文庫)

パラダイス・サーティー〈上〉 (新潮文庫)

パラダイス・サーティー〈下〉 (新潮文庫)

パラダイス・サーティー〈下〉 (新潮文庫)


<あらすじ>
30歳を目前に結婚を焦る普通のOL・栗子は、29歳の誕生日の夜、家を出て、中学からの親友でオナベの菜摘の家に転がり込んだ。そしてある日、酔った菜摘が連れてきた、菜摘が経営するバーの常連客という伸に、栗子は一目惚れしてしまった。とんとん拍子に事は進み、幸せを感じる栗子だったが……。


そして菜摘もまた、店の客の紘子に一目惚れして付き合っていた。しかし紘子の暴力的な夫の存在のせいで、ふたりの関係はうまくいっているとは言えないものだった。しかも菜摘は紘子の家で怪しげなビデオを見つけてしまう。親友がこれ以上傷つかないよう、そして自分の恋人をヤクザ者の夫から自由にするために、菜摘は裏の世界に手を回したが……。






以下ネタバレ

                                  • -


少し古い作品で、ビアン小説としては意外と有名(?)な作品です。
今回初めて読んだんですが・・・



主人公の栗子(ノンケ)が苦手です。




ノリが付いていけないというか、なんというか。。。
栗子ぐらいの歳になれば共感できるかもしれないですけど、今は無理です。



今から15年以上前、92年が一番最初の刊行。
そのせいか、栗子のお母さんの菜摘への評価が冷たい。
栗子もオナベに対しての考え方おかしいし。
「オナベには分からないのよ、恋する女の気持ちは」
ってヒドくないですか?


偏見はそう変わるものでもないので、今でもああゆう風に見られてしまうのでしょうか。
栗子が主人公なんですが、菜摘の方ばかり共感してしまいます。






そして後半では、栗子と伸の関係に変化が・・・。


いやいやいや、栗子、今の時代だったらストーカーぎりぎりだから。
まあそのおかげで真実に気付けるんですけど。やっぱり栗子が主人公なせいか、菜摘の描写が少ないのが残念。




しかし、百合界なんかでも言われている、ここ10年でマイノリティが変わったという話は、読んでいて納得です。


92年の時代。
栗子のセリフがいちいち刺さります。
当時は店長、6、7歳ですから、小学校に入るか入らないかぐらいですよね。
月日って長いなぁ。

でもこれが普通の反応なのかなぁとも思い、親友に聞いてみたい気分です。





レズビアン小説でもなく、恋愛小説でもなく、サスペンス小説なので、そこらへんはご了承ください。



そういえば、さっき知ったんですが、これってドラマ化されてたんですね。
テレビ朝日系列で2000年4月22日〜7月1日に土曜ナイトドラマで放送されたそうです。
知らなかった。
栗子石田ひかりさんが、菜摘を清水美砂さんが。




うーむ。