女学校(岩井志麻子)
- 作者: 岩井志麻子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/02
- メディア: 文庫
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<あらすじ>
何より清楚な檻にも似た、あの校舎。わたくしはいつものように親友と二人で女学校時代の思い出を語る。しかし「……わたし達、本当は女学校に通ったことなど、ないのです」親友の月絵さんのこの言葉で、世界は怪しく動き出す。月絵さんの語る物語はわたくしを惑わし、夢と現実を分からなくさせる。本当の女学校はどこに…?本当のわたくしはいったい……。
以下ネタバレ
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百合作品だと聞いて読んだんですが、百合度はそれほどない感じです。
ふたりの女性が自分たちが通っていた女学校について語る話ですから。
しかし、目が回るように次々と変わって行く世界と大正風の語り口が、読んでいる者を妖しげな世界へと誘います。
百合としてよりも、作品世界を楽しんでください。
ちょっと百合風味な
「この甘い味と感触は菫のものなのでしょうか、それとも月絵さんの指なのでしょうか。」
月絵さんが花代子さんに菫の砂糖漬けを食べさせるというシーンが好きです。
先ほども言いましたが、百合としてより、作品として楽しんでください。
大正風な描写が耽美な気分にさせてくれます。