奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

息子の唇(内田春菊)


息子の唇 (角川文庫)

息子の唇 (角川文庫)



<あらすじ>
11話中1話百合。
『レース』付き合っていた女性脚本家の妊娠を知り、世界が崩れていくのを感じた友美は、自殺する代わりに結婚をした。そして妊娠をした。夫は友美がレズビアンであることは知らない。息子が生まれても何にも感じなかった友美だが、幼い息子との日々に次第と……。





以下ネタバレ

                              • -

短編の中のひとつです。
しかし百合と言いつつも、恋愛ものではなく、レズビアン女性の妊娠の話ですから、百合と判断していいものかどうか。


恋人だった劇団の女性脚本家が結婚し、妊娠して、その恋人が発した一言に絶望して自殺しようとするが、うまく行かず、自殺の代わりにさっさと結婚してしまった主人公。




でも「レズビアンと子ども」ってところがちょっと中山可穂さんの小説を彷彿とさせました。
孤独な心を子どもが癒してくれたり、旦那の印象が薄かったり。




淡々としたモノローグが友美の現実味のない現実を表しているようで、良かったです。
たまに「ん?」ってところもありますが、他の作品も家族をテーマにしたものなので、興味のある方は是非。
ただ少し沈むかも。
店長はやや沈みしました。。。



両性具有の花房が、女性も男性も魅了していく『目を閉じて抱いて』というマンガもなかなかオススメです。