奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

私と彼女(原題:Io e lei)

以前紹介した映画「私と彼女」見てきましたー!





イタリア映画祭2016
http://www.asahi.com/italia/2016/


<あらすじ>
『はじまりは5つ星ホテルから』がスマッシュヒットした女性監督トニャッツィの新作は、2人の女性が主人公のロマンチック・コメディー。元女優で今はレストランを経営する好奇心旺盛なマリーナ。慎重な性格で一人息子がいる多忙な建築家のフェデリカ。対照的だが愛し合う2人は、ローマの豪華なアパートで5年間一緒に暮らしていた。しかし、ささいな出来事で親密な関係に亀裂が入る。名優のマルゲリータ・ブイとサブリーナ・フェリッリが息の合った演技を見せる。



以下ネタバレ



                                                                • -


あんまり書くとネタバレになっちゃうので、内容には触れないようにはしますが、とりあえずこれは50代の女性カップル映画です!
老眼鏡の貸し借りしたり、物覚えが悪くなってこれなんだっけ?と言ってるのを笑い合ったりする50代カップルです!
ああ、もうこんなカップルになりたい!って気分になります。



フェデリカはもともと既婚者で、息子が18歳の時に離婚し、マリーナと一緒になりました。
一緒に暮らすようになって5年。
レストランを経営するマリーナと、建築家のフェデリカ。
正反対の二人だけど、仲良く日々生活していた。



ある日、マリーナがインタビューで、女優時代に同性愛者であることを秘密にしていることで苦労はあったかとか今は恋愛しているのかなどと聞かれ、つい今の恋人のことを言ってしまい、そのことが記事に載ってしまう。
恋人であるフェデリカは、記事に載ったせいで職場の人間にゲイバレしたと不機嫌に。
まぁフェデリカの気持ちは分かります。
女性の恋人がいることを恥じるつもりはないけど、わざわざ言うことでもないと思っている。
ましてや悪意ある視線に恋人との大切な時間を汚されたくないというのもある。
フェデリカはどっちかというと世間体とかそういうので内緒にしたいという気持ちが強かったのかもしれませんが、マリーナみたいにオープンになれない気持ちもちょっと理解してもらいたいなって思いました。



そのインタビュー記事をきっかけに、マリーナに映画をやってみないかと声をかけてきた男性が。
主役ではないけど、是非とも出てほしいと言ってくれてるが、マリーナはどうするか迷い、断ろうとしていたが、フェデリカとのささいな喧嘩で映画に出演することに。
マリーナが目立つ場所に出れば、おのずと自分との関係も世間に晒される。
フェデリカはマリーナの気持ちが理解できず、次第に冷たく当たるようになって…。



もうこういう言い方しちゃいけないとは分かってるんですが、
バイセクシャルに振り回されて傷つけられるのはいつもレズビアンなんだよ!!!
って言いたくなります。
マリーナはほんとよく頑張ってる。
セクシャル面だけじゃなくて、普段の生活でも、マリーナはフェデリカに譲歩してると思います。
これ怒ってもいいところじゃない?って場面でも、寛容に受け止めます。
フェデリカがピリピリしてても、温和に「どうしたの?」って言えるあたり優しい。



もうラストがどうなるのか分からなくて、すごくハラハラどきどきしました。
ラストは泣きそうになりました。
切ない。。。
あと猫が可愛い。とても可愛い。



劇中で、レズ友達と映画を見て「これはレズビアン映画ね」「童話よ?」「でも女が女にキスをしたわ」「母と娘の関係でしょ?」「でも親子じゃないわ」みたいなことを言ってて、何の映画なのか察しがついて笑えた。
店長もあれはレズビアン映画だと思ってるw



あと、喫茶店でこちらを見てクスクス笑ってる中年女性に向かって「何を笑ってるの?5年も一緒にいれば男女だって何かしらあるでしょ」と言うところが素敵でした。



映画後の監督へのQ&Aで、監督が「イタリア映画では女性カップルがメインの映画がなくて、だったら自分が作ろうと思い立った作品だ」と言ってました。
へー、って気分で聞いてました。
海外でもまだ男性優位ってあるんですね。
女性の立場が低いというのがもどかしいです。
監督へのQ&Aがあったせいか、店長が1時間前にチケットを買いに行ったときは残り数席でした。
前売り券は完売だったらしいです。
もし見に行かれる際は前売り券を買った方がいいかもしれません。
それかチケット販売開始直後に行くかw


以下上映スケジュールです。


5月5日(木・祝)13:15〜
有楽町朝日ホール
東京都千代田区有楽町2-5-1 マリオン11階


5月8日(日)13:40〜
大阪ABCホール
大阪府大阪市福島区福島1-1-30



イタリア映画祭で上映された作品が、普通に上映されることもあるので、「私と彼女」も多くの人に見てもらえたらなって思います。
会場は映画好きのお年寄りが多く、年齢層がめっちゃ高かったですw
監督が「当事者以外の人が見て、視野が広がったと言ってもらえたのが一番うれしく、今日来た方たちにもそう思ってもらえたらいいな」みたいなことを言っていたので、お年寄りたちの視野が広がってくれたらいいなと店長も願っています。