奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

微熱狼少女(仁川高丸)


微熱狼少女

微熱狼少女


<あらすじ>
「女子高生藤乃と女教師三島は妖しい愛の渦に飲み込まれ……。ちょっと奇妙で熱い恋のゆくえ。(帯より)」
藤乃は、赤みがかった髪を狼カットにし、授業をサボり煙草を吸う、いわゆる不良少女。使われていない生徒会室でひとり煙草を吸っているとやって来る、社会科の非常勤講師の三島が、藤乃は苦手だった。三島が、自分の父親と同じ、同性愛者だったからだ。しかも三島は自らがレズビアンであることを公表している変なヤツ。そんなある日、暴力的な恋人・誠に襲われる夢を見た。夢の中で、誠の姿は…。苦手だったはずの三島の存在が、藤乃の中で次第に大きくなっていく……。





以下ネタバレ


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店長の中で百合四天王とされている仁川高丸さんのデビュー作。
井上ひさし氏大絶賛!高橋源一郎氏大激怒!大論争を展開した小説――あなたはどう読むか!!」
という素晴らしい帯がついた名作です。
ある意味、百合界でも大論争が起きそうな作品としても一部で有名です。



文庫版では江口寿史さんが表紙を担当。狼少女がこちらを見つめてくる素敵な表紙。

微熱狼少女 (集英社文庫)



そして文庫版には橋本治さんの解説が収録されています。
「妄想狼少年ではなく、微熱狼少女であること」について、です。


ええ、店長はハードと文庫、両方持ってます。入手困難のため古本屋ですけど。



女子高生藤乃と女教師三島の奇妙で熱い恋。。。


「藤乃」といえば、百合好きなら『舞-HiME』の「藤乃静留」を思い浮かべてしまいますよね。(おい
静留ヘタレなツンデレを見事落としてみせたテクニシャン!
しかし『微熱狼少女』の「藤乃」は違います。
テクニシャンによって見事落とされたツンデレです!!



威張んなよ( ´д`)=〇)´ν゜)・;'。どちらも愛すべきキャラクターでふ




本っ当に!
どちらも愛すべきキャラクターですよ!
こちらのツンデレ、もといヤンキー、じゃなくて女子高生のデレっぷりはすごいです。



三島の影を振り払うため彼氏とヤリまくったりするけど、振り払おうとすればするほど三島の存在が膨らんでいく様や、好きだということを認めて三島を誘惑したり甘えたりする様がなんともカワイイ。
前半は、ゲイの父親への嫌悪とかですが、後半は、すごいラブラブです。
しりとりのシーンとかいいですよね。




恋愛小説とかって、告白して結ばれたら終わりってのがよくあるパターンなんですが、この小説は一味違います!
両想いになった後日談のように、ラブラブなカップルやり取りをしてくれるんです!
ハッピーエンド主義の店長が大好きな展開です!



百合小説と言ったら、これでしょ!




しかし、新たに百合に目覚めた人が、この作品を読めないのが残念です。
とりあえず、古本屋なり図書館なりで見つけたら、すぐに手に取ることをおすすめします。
藤乃と誠の性愛シーンを嫌がる百合好きもいますし、藤乃と三島の性愛シーンも嫌がる百合好きもいますのでそこらへんは注意。
店長的にはどちらも作品を引き立てる素晴らしいシーンだと思ってるんですけどね。