奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

弱法師(中山可穂)


弱法師(よろぼし) (文春文庫)

弱法師(よろぼし) (文春文庫)



<あらすじ>
『浮舟』、ふらりと前触れもなく帰ってくる伯母の薫子。美しくカッコいい薫子が心臓の弱い母に代わり、わたし・碧生を育ててくれていた。父と母と大好きな伯母の三人の大人に囲まれて、碧生は幸せな幼少時代を過ごした。しかし子供ながらに感じていた、三人の耐えるような不安。そして17の夏、碧生は、三人の悲しみを知ることとなる……。



以下ネタバレ

                                          • -

『弱法師』『卒塔婆小町』『浮舟』の3話収録です。


『浮舟』よかったですよ〜(泣



あと『卒塔婆小町』は女性同士ではありませんが、壊れそうな危うさが気に入ってます。


卒塔婆小町』
どんなじゃがいもたちの求愛もまったく受け入れなかった、美しい編集者の百合子。その百合子の愛を得るために、青年・深町は、百本の小説を渡すと約束した。静かなのに情熱的な深町の愛。しかし百合子が好きなのは、じゃがいもではなく…。


男性がレズビアンに惚れてしまった場合、恋が実る可能性は、ゼロなんでしょうか。
性愛シーンはないのに、その狂おしい愛が伝わって来ます。



やっぱ中山可穂さんの作品好きだわ!って思う一冊でした。
能を表現した前回の表紙もおもしろいけど、個人的に今回の表紙の方が好きです。