奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ(琴音)


愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ

愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ


<あらすじ>
「誰より深い痛みを知った。あなたが、それを強さに変えた。(帯より)」
元恋人のキオミが自殺し、「私」はキオミの遺した地図を元に、ある建物へと辿り着く。娼婦やホームレスがいる道を抜けて辿り着くその建物には、心に「告白」を持った住人たちが住んでいた。「私」は「聞き屋」としてそこで働くようになる。そして「イップ」と出逢い、愛し合い、本当の愛を知る。しかし、空の白い棺を見てから物語は急展開。多くの謎と共に、恋人たちの行方は……。






以下ネタバレ

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「誰も書き切れなかった最後の純愛小説。」はすごいあおり文句ですよね。



06年の1月に作者さんより紹介を受け、読み始めた本です。
書店を始めて、初めてもらったメールだったので、それだけでテンション上がってしまったのを覚えてますw
そのあと購入して読んだら、先が気になって、大学の試験期間が近かったのに、読みふけっちゃったんですよねw
なかなか思い出深い一冊です。




05年12月に「第17回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞」を辞退したということで、一部メディアに取り上げられたこともあるそうなんですが、店長は当時の記事を読んだことないんですよね。
まあ記事がどうのこうのより作品を楽しんでもらえればって感じです。
店長にはわからないんですが、けっこう含みがあるらしいです。各副題とか登場人物とか。



物語としては、
過去の心の傷から感情をなくしてしまった女性が、「告白」をしに来た客や「聞き屋」たちと出会い、「葉(イップ)」という女性と恋に落ちて、心を取り戻していくという話。




うーん・・・端折り過ぎ?




「告白」という形で登場人物の謎がわかるし、「告白」をしに来たお客さんたちの話もあるので、一冊の中にいくつもの物語が入ってる感じです。
物語も一つ一つ不思議なものばかりで、私好みでした♪



だけど話が進むにつれ、物語は哀しい展開に。
たしかに泣けます。




優し過ぎた葉(イップ)。
たとえ自分が血を流していたとしても、他人のかすり傷を必死で心配してしまうほどのやさしさ。
読んでいてこっちの方が痛くなってきてしまうけど、読むのを止められません。





女と女、女と男、男と男。
奇妙な愛の形。
独特の世界観ですが、オススメです。






そうそう、作者である琴音さんのブログ(こちら)ではあとがきのようなものとかあるそうです。
作品を読んで気に入った人はどうぞ。
最近はSNSの方が多くなってしまい、ブログの更新はまちまちですが、過去記事を読むのもおもしろいですよ。
荒らしが多いみたいなので、マナーは守ってください。