黒絹睫毛(宇佐美游 )
- 作者: 宇佐美游
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本
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<あらすじ>
学区内でトップの高校に入学した雪乃。自分の容姿に自信のあった雪乃だったが、入学式の日、自分よりも美しい少女・絹子と出会う。女子の数が少ないこの学校で目立つ存在だった絹子。男子が、教師が、他のクラスの生徒が、絹子を認めていく気配があるか、ないか。雪乃は、絹子を見張り、姿や仕草を真似するようになった。それは嫉妬からくる行動なのか、憧れからなのか、それとも……?
以下ネタバレ
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手に取ったとき、題名や表紙の雰囲気で、大正もの?と思ってしまったんですが、内容は片田舎に住む15歳の少女の現代ものでした。
絹子に憧れ、いつでも見つめていた雪乃。
いつの間にか、たぶん初めて見たときから、絹子に恋をしてしまった雪乃。
自分を見てほしくて、自分の方が絹子より優れていると思いたくて、いろんなことをする雪乃。
「あなたの心に、誰も住み着かせないで、私がそばにいるあいだだけでも。」
自分には彼氏がいるのに、絹子がもし誰かとつき合ったら、と思うと涙が出た雪乃。
彼氏がそばにいるのに、遠くで見える絹子を必死で見つめ、一緒にいる男が絹子に何かしてこないかと心配になっている川原のシーンは印象的でした。
周りの目を気にして自分を卑下する雪乃の描写はあまり好きではないが、絹子を見つめるときの雪乃の描写は好きです。
片想いモノ。
ある意味意外なオチでした。
雪乃の視線から目をそらすように過ごしていた絹子。
その真意は。。。
純粋だからこそ、変にひねくれてしまうことってありますよね。
好きすぎて、相手のことがまったく見えなくなるほどの想い。
絶版しているので、図書館や古本屋で探してみてください。
214ページものですが、字が大きいのすぐ読めると思います。