奇妙な店長の戯言部屋

百合好きオタによる妄想と百合の戯言な日々

世界で一番バカな旅人

ふと高屋奈月さんの「フルーツバスケット」3巻に載っていた話を思い出しました。
登場人物の紅葉がクラスの友達が持ってきた「笑える話全集」に載っていた「世界で一番バカな旅人」という話をするとこです。
まんま載せるのは本当はいけないんですが、こっそりとペタペタ。



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バカな旅人が旅をしてるの。
どうバカっていうとね、すぐだまされちゃうの。
街の人達にだまされちゃうの。

(薬代が…)
(畑にまくタネ代が…)
(病気の妹が…)

その度にお金や服やクツをだましとられちゃうの。
でも旅人はバカだから「これで助かります」って街の人のウソにもポロポロ、ポロポロ涙をこぼすの。
「お幸せに、お幸せに」っていうの。

で、とうとうすっ裸になっちゃって、さすがに旅人も恥ずかしくて森の中を旅する事にするの。
そしたら今度は森に住む魔物達に出会うの。
魔物達は旅人の体を食べたくて言葉たくみにだましていくの。

(病気の子供が…)

もちろん旅人はだまされて足を一本、腕を一本、あげちゃうの。
結局、旅人は頭だけになっちゃって、最後の魔物には目をあげたの。
その魔物はバリバリ目を食べながら「ありがとう。お礼に贈り物をあげます」って置いていくの。
でもそれもウソで、贈り物は「バカ」と書かれた紙切れ一枚。
でも旅人はポロポロ泣くの。
「ありがとう、ありがとう。初めての贈り物だ。嬉しい、嬉しい。ありがとう、ありがとう」
もうない目からポロポロポロポロ涙をこぼすの。
そして旅人はそのままポックリ死んでしまいましたとさ。



――…みんな笑ってた。
ボクはその中で目をとじて旅人の事を考えてみた。
だまされて頭だけになってありがとうと泣いた旅人の事を考えてみた。
そして思ったんだ。
ああ、なんて、愛しいんだろう……って。

…損とか苦労とか考えるだけムダだよ。
旅人はそんな事考えちゃいないもの。
ただ…誰かにとってはそれがバカでも、ボクにとってはバカじゃないだけ。
誰かにとってはだましがいのある人でも、ボクはだまさないだけ。
ボクは本当に喜ばせてあげたいと思うだけ。

…それでもやっぱりバカと思う?
目を閉じて何を思う?

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フルーツバスケット」って本当に考えさせられる言葉が多いです。
また全巻読み返したくなってきました。



主人公の透のように、相手のほしい言葉を言ってあげられるような人間になりたいです。
漫画のキャラクターと比べんなって感じですけど(笑)



言葉は難しいです。
相手を喜ばすことも傷つけることもできます。
……傷つけるときは簡単なんですよね。
ほんの少しの悪意を乗せて言葉を発すれば、ナイフとなって相手の心を傷つけます。
傷つけるのは簡単なのに、その傷を癒すのは難しいです。



まぁなんで急にこんな話になったかと言うと、祖母の発した一言に母親が傷つき、もう一緒に暮らしたくないと言い始めてます。
間に挟まれて微妙な空気です。
母親の言い分はもっともですし、祖母に悪気があったわけでもないのも分かってます。
だけど祖母は言ってはいけない言葉を言ってしまいました。



人と人との関わりって難しいですね。
傷つけて、傷つけられて。
出来ることならその傷が少しでも早く癒えるようにそっと手を差しのべたいです。



本当に難しい。




つか、本当はもっと違うこと書きたかったのに、上手くまとまらなくて違う話になってしまいました(笑)
文章にするのって難しいですね(笑)